備考 |
外部空間づくりの特長 施設北側には北新波砦史跡公園、東には満勝寺の歴史的建造物があり、郷土歴史的景観に対応し周辺環境に配慮した外観づくりを行った。コンクリートや鉄骨の無機質箱形建築を避け、自然起伏に対応した山並を建築化し、全体を木の素材を活かした木造建築とした。中央の12角形の塔状建築は榛名山を、左右の棟は周辺の歴史的建築物や田園景観をイメージしている。また、子ども達の楽しめる多様な外部空間として、建物周辺に自然を取り入れて建築と自然の共生を図った。建築物の周りに残された凹凸の空地は、子ども達が小さな自然を知り、自然と触れあう庭としてデザインされており、南の大きな園庭は木々に囲まれた子ども達の健康広場、運動スペースとした。園舎南側の廊下と園庭の間には屋根付きのウッドデッキを敷き、さらには園舎と園庭との間に敷地の高低差を利用した枕木製(ユーカリ材)の階段状のベンチを置いた(野外ステージ)。
内部空間づくりの特長 園舎は、内部に多くの光を取り入れるため廊下上部にハイサイドライトを連続させた。園舎の中心のエントランスホールは、外観・内部ともに園のシンボルとなる空間である。12角形の塔(アトリウム)は、12本の磨き丸太が屋根まで伸びてホール全体の構造を支えている。2層分の高さの吹抜けで、ハイサイドライトから光が差し込む明るい空間である。12本の磨き丸太は、“12カ月=1年”を意味しており、子ども達の入園や卒園など1年間を巡る時間を建築として表わしたものである。子ども達はこのホールに入り、それぞれの部屋へ分かれる。 園舎東側の空間には3つの保育室が入っており、各部屋は子どものロッカーで区切られている。天井や壁は杉板で、床はコルクタイルを敷いており床暖房が設置されている。 保育室とウッドデッキテラスをつなぐ廊下は、保育室との間仕切り壁を廊下に対して斜めにしており、子どものたまり場をつくった。窓は出窓としてその部分にベンチを設けてある。内装材にはできる限り自然素材を使用することを心掛け、床は水目桜の無垢材、壁は杉板・シナ合板・霧島壁(シラスを材料とした塗壁)を取り入れている。 トイレはもう1つの保育室、子ども達の創造の場でもあると考え、楽しい雰囲気づくりを試みた。床はドライ方式として塩ビ系のタイルを使用し、腰壁にはタイルを貼った。 |